2015.11.20-22 調布祭&オープンキャンパス その2

こちらは2015年の文化祭レポートその2になります。内容は研究室公開と発表内容について。

2015年文化祭レポート その1はこちら

さて、今回のオープンキャンパスは、学外から来る高校生や一般の方たち向けの公開の他に、学内の3年生に向けた研究室配属前の説明会も兼ねていました。ポスターにもメインテーマを強調したデザインを採用しました!

さてさて、いつものごとく西9号館7階の成見研を訪ねてゆくと・・・


ん?


んん??


んんんー!?!?


「見」の足が短すぎるのでは・・・?(そこじゃない)

ともあれ115号室ということなので、1階まで降りて行くと・・・


ありましたありました。いつもの成見研のみんなです。

というわけで今年は広い会場での発表!脱出ゲームの関係で大きな会場を借りたので、そのままそこをお借りして成見研の発表も行いました!

とりわけ書くべき面白いことも無いので、さっそく各人の発表内容をご紹介~。最後には来場者のみなさんにご協力頂いた、人気投票の結果発表もありますよ!

若い方から行きましょうか、まずは学部4年の井出君。


OpenCVとGPUの組み合わせで、OCRを高速化しようというお話。なんのこっちゃ、説明します。OpenCVというのは映像に関わるいろんな便利な 機能の詰まったプログラムのセットだと思ってください。これを使ってOCR、すなわち文字の書かれた画像を読み取って、文字(テキスト)データへの変換を 行うのですが、そこに成見研お得意のGPUを使うともっとすばやくできるのでは、という研究。二枚目の写真では数字列の画像から該当する数字を検索して赤 丸で囲っている画面ですが、なんだか間違いを大量に指摘されている気分で落ち着かない光景・・・「ここも違う、ここも違う!・・・あんたって、本当に無能 なのね。」という感じでしょうか。・・・思ったほど悪くない心地ですね。

さて気を取り直して同じく4年の上原君。


彼もGPUを使っていますが、GPUのコア・メモリクロックと電圧を操作して、消費電力を抑えようという研究。GPUを使って計算するときに、全力で計算 させるよりも、その処理に最適な電圧とクロック数で計算させた方が、多少速度が落ちてもそれ以上に電力を減らせるという研究があり、そのクロックと電圧の 調整を自動的にやらせようというのが彼の目標。むずかしい内容ですが、ガスコンロでやかんのお湯を沸かすときには強火にかけるよりも中火にかける方が、少 し時間はかかるけどガス代は安く済む、という話に似ています。水の量ややかんの大きさによって最適な火加減は変わりますが、その火加減を自動で調整してく れる機能を開発中という感じ。

3人目は4年生唯一の女子学生、佐野さん。


モバイルバーチャルスタジオというテーマで、Microsoft社のKinectを使った、持ち運べるバーチャルスタジオの開発を目指しています。バー チャルスタジオとは、一般に背景合成をしてCG空間に人がいるかのような映像演出をする手法のことで、テレビ番組などでよく用いられます。(Googleでの”バーチャルスタジオ”画像検索結果
持ち運んで使えることから、一人で映像配信する際に使うことができるようになる上、Kinectの特徴である人の動きを解析する機能を使えば、出演者の体 一つで映像効果の操作などもできるようになります。生配信にはもってこいの装置になるかもしれませんね!全国の生主のみなさんが固唾を呑んで見守ります。

次も同じく4年生から、成見研の柱の一本を支える難波君。


内容はタイルドディスプレー。成見研の伝統技能です。FPGAという装置を用いて、いくつもの画面をまるで1枚の画面であるかのように扱うための技術を目 下改良中。先代から引き継いで以降長らく彼を悩ませた不具合をついに解決し、不完全ながらも画面表示へとこぎつけた彼の偉業には、頭を下げても下げても下 がりきりませんので上げておきます。これからは高解像度への対応、映像の任意倍率での拡大対応などに取り組む予定。ただこの不具合を乗り越えるだけでも大 変なエネルギーを使った彼、残り時間は多くないので、目標を絞って注力するのも悪くないのではと思います!周りのメンバーからも一目置かれる存在です!

続いても4年生、和田君。

と思ったのですが、彼もなんだか他のお仕事でずっと留守にしていたので、写真取るの忘れました。。こちらも入手次第編集します!

さて内容ですが、動画変換がテーマ。いくつかの変換用サーバーを用意して、更にそのマスターとなるサーバーも用意する。ユーザーはマスターに動画を 投げると、マスターは変換用サーバーのなかで手の空いているものを探して変換を依頼する。こうして、多数の動画を効率よく変換してゆけるのである!!!と いうものを開発しています。タイトルに含まれる「オンプレミス」というのは、ローカルな環境で使えるというような意味合いで、要するに著作権とか社外秘と か、何らかの理由で変換の外部委託が出来ない条件で、お値段安めに効率よい動画変換環境を用意したいというのがモチベーションのようです。ソースは配布し たいらしいので、是非とも頑張って欲しい!

最後はK課程の井村さん。


海底の音波伝搬のシミュレーションを、GPUを使って高速化すると共に視覚的に見やすい表示を行おうという研究です。写真にはその視覚化を行ったアプリの 画面が表示されていますね。ソナーを使って魚群とか潜水艦とかを発見する技術がありますが、音波の届かない死角があると意味がありません。なので、あらか じめ海底の地形を調査しておき、そのデータを元に音波の伝搬シミュレーションをして、死角なくソナーを発射するにはどこから撃てばよいのかを探す。という ような使われ方をしているのだと聞いた気がします。むずかしい!けど、なるほど!

さて、続いては修士2年生が登場です。

まずは女子学生の大和田さん。


どなたかが体験している写真があればよかったのですが、撮り損ねていたようなので後でどこかから探して貼り付けます!すみません!
ヘッドマウントディスプレー(HMD)、Kinect、LeapMotionといくつものデバイスを使ってデモをしていたのが彼女のブース。書斎をまるご と仮想化するという大胆な発想のもと、開発を進めています。電子書籍をただ本の内容が読めればいいツールで終わらせるのではなく、読書を「体験する」とい う観点で、よりリアルな電子書籍の在り方を模索しています!

続いて私、修士2年の嶋田。


自分のブースをほとんど撮っていなかったという・・・。写真に写るは我らがボス。私は自動車の運転技術を採点するスマホアプリの開発を行っています。デカ デカとうつるゲーム画面は、決して私の作品ではありません。ゲームも少しいじって使わせてもらってはいますが、メインはちょこんと写っているタブレットの 画面。緑に虹丸が描かれたやつです。当日はゲームの走行データをタブレットのアプリで採点するというデモを体験してもらいました!車を運転するのが少しで も楽しくなるような、そして運転が上手になるような、そんなアプリを目指しています!

最後は成見研のお父さん、修士2年の瀬戸口君。


成見研のもう一つの柱、GPUの仮想化。たくさんのGPUをネットワーク越しに使う技術が成見研で開発されていますが、通信の分効率が悪くなることもよく あります。様々な接続経路や条件で使うことが出来るため、どの程度の恩恵が受けられるかどうかはやってみないと分からないというのが現状です。そこで瀬戸 口君はこの計算性能をモデル化しようと試み、どのようなパラメータと計算式で計算速度が算出できるかを検証しています。このモデルがしっかり完成すれば、 それぞれの条件でパラメータを測定・推定し、式に当てはめるだけである程度効率が予測できるようになります。大きな計算になるほど「やってみる」の重みも 増しますので、その計算効率があらかじめ算出できるというのはとても重要なことです。是非とも「瀬戸口モデル」を完成させて欲しい!

以上で全発表の紹介は終わりです。最後に、来場者の皆様にご協力いただいた、「一番面白いと思った発表内容は?」アンケートの結果発表をしたいと思います!投票してくださった48名の方々、ありがとうございました!

では、3位から発表です~!

第3位 瀬戸口幸寿 「多数の仮想GPUを用いた際の計算性能モデルの構築」 6票

最後に紹介した 瀬戸口君が第3位!難しい内容だったとは思いますが、高校2年生以下の方から2票もらっているのは彼だけでした。逆にその高校生さんたち、分かってくれたということなのでしょうか。。すごい・・・。実力の3位です!おめでとうございます!

第2位 大和田瑛美華 「Mixed Reality空間における仮想書斎システムの開発」 7票

学部時代から電子書籍を貫く大和田さんが第2位!高校3年生からの票を集めていました。デバイスを実際に体験した方は間違いなくその未来感に引き込まれたことでしょう!魅力溢れるデモを作り、本への想いで掴んだ2位!おめでとうございます!

第1位 嶋田貴行 「自動車運転技術の乗り心地を採点評価するAndroidアプリの開発」 13票

ありがとうございます、私嶋田がなんと1位を取らせていただきました!何より部屋の配置のマジックがあったでしょうが・・一般の方、企業の方からの 票を多く頂いたので、大変嬉しい限りです!今までのオープンキャンパスは、ブースで話をしていて若い学生の皆様からの反応がいまいちな反面、大人の皆様か ら支持していただく事が多く、若者の自動車離れを痛感しておりましたが、今回の文化祭では学生のみなさんにも楽しんで頂けたような印象がありました。この 研究が少しでも、みなさんが車に興味を持つきっかけになってくれたらいいなと思います。投票いただいたみなさん、ありがとうございました!

投票結果の詳細は以下の通りです!

結果的には修士の3名が上位を独占する形になりました。今年の4年生も粒ぞろいだったので、正直ほっとしております・・・。もちろんこの得票は研究 としての良し悪しを決めるものではないですが、自分の研究成果をいかに皆さんに”伝えるか”、”魅せるか”という能力の評価の一つになると思います。今後 成見研で頑張っていく人たちにも、発表方法に工夫を凝らして人気投票でも上位を狙って頑張ってほしいなと思います!

以上でレポートは終了です!寒い中お越しくださったみなさま、ありがとうございました!調布祭は楽しんでいただけたでしょうか?受験生のみなさんは もうすぐ冬休み、そしてその後にはセンター試験が待ち受けていますね。まずは体調管理をしっかり、そして気持ちで負けずに勉強に励んでください!長い文章 になりましたが、最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!

そして嶋田が書くレポートもこれで最後になるかもしれません。拙く冗長な文章を読んでいただいてきた皆様には心より感謝申し上げます。このブログを 通して少しでも成見研の魅力を伝えられたらと思い記事を書いてきましたが、いかがだったでしょうか。来年のブログ担当はまだ決まっていませんが、今後とも 成見研をよろしくお願いいたします!

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